第3章 Airfoil に関するセクション

翻訳者より

第3章は Jerry Beckwith 氏がセクション404について行った実験をまとめた Dat_404.xls ファイルに、コメントの形で記入されていたものを KawausoWorks がまとめたものです。このセクションについては不明な点も多く、正確でない情報が含まれている可能性があることをご承知おきください。

Airfoilとは

ご存知のとおり、翼はその上面と下面で気圧差が生じるように設計されていて、この気圧差が揚力に変換されます。発生する揚力は翼の幾何学形状(平面形と断面形)と仰角により変わってくるので、アプリケーションに合った翼を選択する必要があります。たとえば、ジェット旅客機の主翼は仰角が変わっても発生する揚力は大きく変わることはありませんが、戦闘機では仰角によって生み出される揚力が大きく変化するというぐあいです。この、仰角と発生する揚力の校正曲線を定義しているのが Airfoil です。Airfoil はあなたの機体を「旅客機は旅客機らしく、戦闘機は戦闘機らしく」飛ぶように設定するためのパラメータだと思っていただければ結構です。

*.air ファイルの中で Airfoil に関する設定はセクション404です。このセクションには、仰角に対する揚力の校正曲線が定義されています。実際に CFS 標準の機体の設定を見てみましょう。一撃離脱系の機体として FW-190A と Bf-109G、格闘戦が得意な機体としてHurricane と P-51D を選んでみました。

横軸が仰角、縦軸が揚力係数となっています。CFS では Airfoil の校正曲線は17点のグラフとなっています。ごらんのとおり、一撃離脱系の機体と格闘戦が得意な機体とでは仰角+30度前後の位置で明確に違いが見られます。この差がどれだけの運動性能の差となって現れるのか、具体的に数値を挙げることはできませんが、感覚的には Airfoil を適切に設定することで操縦桿の操作に対する反応の具合を調整できると思っていただければ結構です。

Airfoil 校正曲線の設定

実際に Airfoil の校正曲線を編集する際には、納得できる飛行感が得られるまで、試行錯誤の繰り返しになります。ここでは特徴的な Airfoil の設定例として、FS98 用の零式戦闘機のセクション404の例を紹介します。

赤で示したのが FS98 用零式戦闘機の Airfoil 校正曲線です。仰角±30度で顕著な差が見られている以外はほとんど同じですが、たったこれだけの差だけでも、ハンドリングが極めて良好になります。ぜひ試してみてください。ここで補足説明をしておきますと、FS98 においてセクション404は47点で定義される曲線になっています。CFS でもバイナリーファイルを拡張することで曲線のプロット点を増やすことが可能です(細かくプロットする効果は不明です)。詳しくは AirDump と AirUpdate のReadme を参照してください。

もうひとつセクション404で重要なのが、仰角0度となる点とその両側の2点の揚力係数の設定です。経験的に申し上げますと、Airfoil を新たに設定する場合には、この3点を同じ値だけ増減させるのがよいようです(仰角0度の点を変更するだけでも、効果が見えるようにおもいます)。目安として、CFS標準機体は仰角0度で 0.3 程度、ただし P-47D のように重量級の機体には 0.4 が一応の目安です。乾燥重量の設定を減らす場合などは、合わせて仰角0の揚力係数を減らしてやると、水平巡航を保つことができます。

*.air ファイルに関するチュートリアル
翻訳第1版 1999/8/17

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