プロペラ後流に関するセクションOriginal text written by S. M. Baugh
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変数名 |
名称 |
オフセット位置 |
Var1 |
Prop Effect on Elevator |
offset: 154-160 [9A-A0 hex] |
Var2 |
Elevator Response |
offset: 162-168 [A2-A8 hex] |
Var3 |
Prop Effect on Rudder |
offset: 212-218 [D4-DA hex] |
Var4 |
Rudder Response |
offset: 220-226 [DC-E2 hex] |
以降、変数名の番号で説明を進めていきます。Var1であればセクション1101、オフセット154-160のことです。AirED または FDE を使ってこの変数を編集する場合には、適宜コントロールファイルに上記の設定を追加してください。AirED であればデータタイプに "double" を設定してください。FDE であれば fdectrl.txt のセクション1101に以下の行を追加してください。
1101,154, Prop Effect on Elevator,Float8,1
1101,162, Elevator Response (props),Float8,1
1101,212, Prop Effect on Rudder,Float8,1
1101,220, Rudder Response (props),Float8,1
Var1 には負の値を設定する必要があります。この変数は、スロットルが開いている状態において、エレベーターが機体ピッチに及ぼす影響をコントロールしています。スロットルが開いていれば開いているほどエレベーターの効きがよくなるようになり、同時に失速も早くなります。当然、スロットルが絞られているほどエレベーターの効きは悪くなります。この変数はエレベーターの表面を流れるプロペラ後流をシミュレートするもののようです(ちなみにVar3はラダーへのプロペラ後流の影響をシミュレートしているようです)。スロットルが開いた状態で、エレベーターを大きく操作すると、失速がより早く発生するようになります。スロットルが開いている状態でのエレベーターの効き具合に影響を与えますから、飛行中だけでなく離陸時にスロットルが全開になっているような場合にも有効です。FS98/CFS 標準機では0.04096から-0.8が設定されていて、FS98 コンバーターを使用してコンバートされた機体では0となっています。
Var2 には負の数値を設定する必要があります。大きな負の数値はエレベーターの効き具合を低下させます。この変数もプロペラ機にしか存在しない変数で、Var1とセットで取り扱われているものと思われます。具体的な効果のほどはこれから多くのテストフライトが必要かと思いますが、まずは FS98/CFS 標準機体の設定値から眺めてみましょう。FS98/CFSでは0(セスナのみ)から-12.0で、通常-5.0です。FS98 コンバーターによる機体は0となっています。興味深いのは、Extra やソッピースキャメル、P51d までもが同じ設定値となっている点です。セスナ182 は上記の通り0となっており、ドイツ機は非常に小さな値になっています。
Var3 には小さな正の値を設定する必要があります。Var3はラダーに関するVar1と思っていただければよく、ラダーに与えるプロペラ後流の影響をモデリングしているものと思われます。Var3の値が大きくなると、スロットルが開いている時のヨーの効きが強くなります。たとえ速度が同じでもスロットルが絞られているときはヨーの効きは弱くなります。明らかに、ラダーを "叩く" プロペラ後流をシミュレートしています。1次大戦中の戦闘機の典型的飛行特性を反映して、標準機体の中ではソッピースキャメルの設定値が最も大きくなっており、キャメルのラダーが離陸時に良く効く原因となっています。FS98 コンバーターによる機体では標準で0.035となっており、ごく標準的な地上での取りまわし特性となっています。FS98/CFS 標準機体の設定値は0.002048から0.1024です。
Var4 には負の数値を設定する必要があります。この変数はラダーについてのVar2と思って抱ければよく、Var3とセットになって取り扱われます。FS/CFS 標準機体の設定値は-5.0から-16.0でほとんどの場合-5.0、CFS 標準の P47 と Bf109 のみ、ディフォルト値の-5.0よりも大きな値となっています。FS98 コンバーターによる機体では-30.0と非常に大きな数値となっています。
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S. M. Baugh, Ph.D.
smbaugh@adnc.com
プロペラ後流に関するセクション
翻訳第1版 1999/11/25
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