第2章 エンジンに関するセクション

エンジンに関する一般的な設定

CFS 特有のエンジンに関する設定はセクション505で設定されています。以下に AirED 用の設定項目を示します。個別に説明することはしませんが、各項目とも、わかりやすい名前がついていますのですぐにわかると思います。

[505]
1=00,double,Displacement (Per Cylinder)
2=08,double,Compression Ratio
3=10,int32,Number Of Cylinders
4=14,double,Maximum RPM
5=1C,double,Unknown1(HP?)
6=24,int32,Neg-G Carb Cut Out?
7=28,int32,Engine Type (0=radial 1=inline)
8=2C,double,Unknown4
9=34,BOOL,Is Turbocharged
10=38,double,Max. Manifold Pressure (inches)
11=40,double,Unknown6
12=48,double,Boost Gain
13=50,double,Critical Altitude
14=58,int32,WEP Type
 14h=0=None 1=Water Inj 2=Methanol Inj 3=WEP
15=5C,double,WEP Manifold Press Change Rate
16=64,double,WEP Manifold Pressure Boost (psi)
17=6C,BOOL,Fuel Injection?
18=70,int32,Auto Magneto Cutoff
 18h=0=Manual Cutoff Available|1=Manual Cutoff Not Available

スロットル校正曲線

続くセクション506はスロットル校正曲線です。下図に P-51D の設定を示します。このグラフは直線になっており "曲線" と呼べるものではないので、スロットル校正曲線という名称が適切であるか少々疑問ですが…。グラフの実際の数値は表のとおりです。

X Y
0 0.2
1 0.98

以下の AirED 用の設定項目を使用すれば、実際の設定値を調べることができます。

[506]
1=00,int32,No. of Table Pairs
2=04,double,x1
3=0C,double,y1
4=14,double,x2
5=1C,double,y2

ためしに、X=0 の時に Y=1 に設定してみたところ、常にフルスロットル状態となってしまい、逆に X=1 の値を 0.98 以下に設定してみたところ、スロットルをあげることがまったくできませんでした。おそらくこの直線は、ジョイスティックのスロットル入力に対する係数を設定しているものと思われます。セクション506について情報がございましたらご連絡ください。

エンジントルク曲線

セクション508にはエンジントルク特性曲線がエンジンの回転数の関数として定義されています。下図に P-51D の設定を示します。グラフの実際の数値は表のとおりです。

回転数 トルク
0 0.53
700 0.53
2000 0.56
2200 0.56
3000 0.56

CFS 標準期待では P-51D の設定とほぼ同じです。シリンダー数や、排気量の違いによって特有のトルク曲線を作成したい場合は、セクション508を変更することでエンジンのトルク特性を設定することができます。

また、セクション508はエンジンの出力にも影響を与えます。馬力であらわされるエンジン出力はエンジントルクに回転数をかけ、5252(550×60÷2×π)で割って得ることができます。セクション508を変更することで、エンジンの出力曲線と、最大出力が得られるエンジン回転数を独自に設定することができるわけです。トルク曲線が P-51D の例のようにほぼフラットであるならば、最大回転数の 3000RPM で最大出力が得られることになります。

以下の AirED 用の設定項目を使用すれば、実際の設定値を調べることができます。

[508]
1=00,int32,No. of Table Pairs
2=04,double,x1
3=0C,double,y1
4=14,double,x2
5=1C,double,y2
6=24,double,x3
7=2C,double,y3
8=34,double,x4
9=3C,double,y4
10=44,double,x5
11=4C,double,y5

シリンダー1つあたりのトルク損失

セクション509は摩擦によって生じるシリンダーひとつあたりのトルク損失を設定しています。曲線はエンジンの回転数の関数となっています。興味深いのは、負の回転数(逆回転時)についても定義されていることで、CFS ではエンジンが逆回転しているときのトルクについてもモデル化しているようです。実際にゲーム中でエンジンが逆回転しているシチュエーションは考えにくいので、おそらく、エンジンストール時のプロペラ抵抗を計算するために負の回転数が設定されているのだと思われます。

プロペラパラメータ

セクション510にはエンジン回転数、最大速度、エンジンの始動等に影響するパラメータが設定されているようですが、残念ながら1つをのぞいて詳しくわかっていません。唯一判明しているパラメータがプロペラの最大ピッチ角度に関する設定です。以下の AirED 用の設定を参照してください。

[510]
1=00,int32,v1
2=04,double,Prop Diameter (feet)
3=0C,double,x2
4=14,double,Max Prop Pitch
5=1C,double,Min Prop Pitch
6=24,double,x5 Min Governed Rpm?
7=2C,double,x6 
8=34,double,x7 Gear Ratio?
9=3C,double,x8
10=44,double,x9

降着装置とフラップに関する設定

セクション514では降着装置とフラップに割り当てられるパワーが設定されています。すべてエンジンの回転数の関数となっています。このセクションの設定値を変更することで、降着装置とフラップの動作速度を変更することができます。飛行特性に関しては特に影響を及ぼさないようですが、戦闘中に降着装置とフラップににダメージを受けた場合や衝撃が加わえられて動作不良を起こした場合をシミュレートするのに使用しているようです。

続き:第3章 AirFoil に関する設定