第4章 テイルローターに関するセクション

1403 Helicopter Tail Rotor Section 

1403,0 Tail Rotor Position Right/Left COG
Default Value 24.00
大きな数値にするとヨーのコントロールがやや難しくなります。小さくするか、0にした場合にはスムーズになり、正のアンチトルク入力が必要になります。

 

1403,8 Tail Rotor Position Fore/Aft COG
Default Value 229.6
Bell 社の資料によれば、テイルローターシャフトの位置はメインローターシャフトの後方 19.5 フィート(234 インチ)です。実機のコンフィギュレーションを考えると、ここの値には "後方" をあらわす負の値が入りそうですが、なぜか正の値となります。もっとも、MS はエンジンの位置について COG から "+100 インチ" 後方としていますので、前例がないわけではなりませんが。

 

1403,16 Tail Rotor Position Above/Below COG
Default Value -8.0
負の値となってるので、8フィート下方となるのですが実機では異なります。メインローターで、これに相当する値は57.6フィートになっています。

 

1403,24 Unused
Default Value 0.0
メインローターセクションにおけるオフセットの位置から予想すると、ロール特性をモデリングする変数ですが、100〜-100まで変化させても体感できるような変化はありませんでした。おそらく未使用の変数だと思われます。セクション1402とセクション1403が同じオフセット位置の構成になるようにするために残されているのだと思われます。

 

1403,32 Unused
Default Value 0.0
オフセット24と同じく未使用のようです。100〜-100まで変化させても体感できるような変化はありませんでした。メインローターのセクションでは、ピッチ特性をモデリングする変数に相当します。

 

1403,40 Tail Rotor Blade Length (ft. total)
Default Value 5.4167
実機のテイルローターブレード長は5.5フィートです。テストフライトでもこの変数がテイルローター長であることを確認しています。セクション1402にメインローターブレード長に関する変数がありますので参照してください。

 

1403,48 Tail Rotor Blade Width (ft.)
Default Value 0.5
実機のテイルローター幅は0.4フィートです。テストフライトで確認しました。セクション1402にメインローターブレード幅に関する変数がありますので参照してください。

 

1403,56 Number of Rotor Blades
Default Value 2.00
この変数の数値を大きくすると、アンチトルク入力がすばやくなり効果も大きくなります。0に設定するとエンジンがシャットダウンします。

 

1403,64 Unknown
Default Value 1.004
この変数の値を変化させても体感できるような変化は見られませんでした。0にしてもまったく変化がないようです。

 

1403,72 Tail Rotor Effectiveness #1
Default Value 0.60
この変数の値を大きくするとほんの少しアンチトルクペダルを踏み込むだけで、機体の横方向に地面に向かって押し付ける力が働くようになります。負の数値を設定すると、離陸直後に "carnival ride" 状態に陥ります。0.4にすると、標準状態よりもホバリングがコントロールしやすくなります。

 

1403,80 Tail Rotor Effectiveness #2
Default Value 4.30
この変数の値を大きくすると Tail Rotor Effectiveness #1 と同じ変化を起こします。ちょうどメインローターに関するセクションで、Main Rotor Effectiveness #1 と Main Rotor Effectiveness #2 の関係に相当します。もしかすると、テイルローターがロール特性に及ぼす影響をモデリングしている変数かもしれません。

 

1403,88 Tail Rotor Drag Coefficient
Default Value 0.009
この変数の値を大きくするとエンジンがストップします。セクション1402オフセット88を参照してください。

 

1403,96 Tail Rotor Friction
Default Value 0.1177
セクション1402の Main Rotor Friction に相当する変数で、エンジンのシャットダウン時とスタート時に影響します。機体の速度には影響がないようなので、なんらかの抗力ではないようです。メインローターに関して相当する変数よりも大きな値となっているのは、テイルローターのドライブシャフトの摩擦分も考慮しているからだと思われます。

続き:機体の抗力に関するセクション